用途によって異なるドローンの形──回転翼型と固定翼型

みなさんは「ドローン」と聞くと、どのような形を思い浮かべるでしょうか。四つほどのプロペラを備えた機体を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、ドローンにはさまざまな形があり、飛ばす目的や環境によって適した機体も変わります。

代表的なものが、プロペラを回転させて飛ぶ「回転翼型」と、飛行機のような翼を持つ「固定翼型」です。国土交通省も、無人航空機の種類として回転翼航空機のマルチローターやヘリコプター、固定翼を持つ飛行機などを挙げています。

私たちが普段よく目にするマルチローター型は回転翼型の一つです。複数のプロペラによって揚力を生み出し、垂直に離着陸したり、空中の同じ場所にとどまる「ホバリング」をしたりできます。狭い場所から離陸でき、飛行中に位置を細かく調整しやすいため、空撮や点検、荷物の受け渡しなど、特定の場所で細かな動きが求められる用途に向いています。

一方の固定翼型は、飛行機のような翼を持ち、前へ進むことで翼に揚力を発生させて飛行します。一般的な固定翼型では垂直離着陸やホバリングはできませんが、回転翼型と比べて飛行速度が速く、エネルギー効率が高いため、長時間・長距離の飛行に適しているという特徴があります。広い範囲の測量や調査などでは、この特徴を生かすことができます。

さらに現在では、両者の特徴を組み合わせた機体もあります。垂直に離着陸し、巡航時には固定翼機のように前進するVTOL型などです。国土交通省のドローン物流に関する資料でも、回転翼型、VTOL型、固定翼型などが物流用途のドローンとして挙げられています。

どの形が優れているということではなく、大切なのは「何をするために飛ばすのか」です。狭い場所で正確に動きたいのか、それとも遠くまで効率よく飛びたいのか。ドローンの形をよく見てみると、その姿には、それぞれの役割に合わせた理由が隠れているのです。

本日のひとこと

「一長一短(いっちょういったん)」
長所がある一方で短所もあることを表す言葉です。

回転翼型と固定翼型のドローンにも、それぞれ得意なことがあります。回転翼型は垂直離着陸やホバリングができ、狭い場所で細かな動きをしやすい一方、固定翼型は長時間・長距離を効率よく飛ぶことを得意としています。どちらか一方がすべての場面で優れているのではなく、目的に合った特徴を生かすことが大切です。

仕事や日々の生活でも、一つの方法だけを見て良し悪しを決めるのではなく、それぞれの長所や短所を理解したうえで、状況に合ったものを選ぶことが大切です。違いを比べることが優劣をつけるためではなく、それぞれの良さを生かすためのものになれば、選択肢や可能性も広がっていくのではないでしょうか。