「ドローン」と聞くと、空を飛び回り、カメラで空撮をする姿を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。実は近年、「飛行しないドローン」も注目を集めているんです。え、飛ばないのにドローン?と不思議に思われるかもしれませんね。
飛行しないドローンとは、プロペラで空を飛ぶ代わりに、地上や水中、壁面などを移動する無人機のことを指します。たとえば、工場や倉庫の床を自律走行して点検を行う地上ドローンや、配管の内部を進みながら劣化を調べるクローラ型の機体があります。水中ドローンもその一種で、ダムや港湾設備の調査、養殖場の管理などで活躍しています。
では、なぜ「飛ばない」という選択がされているのでしょうか。理由の一つは安全性です。人が行き来する場所や狭い空間では、飛行すること自体がリスクになります。その点、地上や水中を移動するドローンは、安定して長時間の作業が可能です。また、飛行にエネルギーを使わない分、バッテリーを作業機器やセンサーに回せるという利点もあります。
さらに、法規制の影響も見逃せません。飛行ドローンは航空法などの制約を受けますが、非飛行型であれば導入のハードルが下がる場合があります。現場の実情に合わせて、より実用的な形へ進化しているとも言えるでしょう。
空を飛ばなくても、ドローンはドローンです。人が入りにくい場所で目となり、手となって働く存在として、私たちの生活や産業を支えています。次に「ドローン」という言葉を耳にしたとき、ぜひ空だけでなく、地上や水中で黙々と働く姿も思い出してみてください。きっと、技術の広がりをより身近に感じられるはずです。